一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(ATS)、連合会会員からの提言と医療情勢、診療報酬に関するセミナーを開催

category:取材速報
2015.06.18
石垣武男氏
嗣江建栄氏
石橋忠司氏
平澤之規氏
宮司 順氏
市川 守氏
煎本正博氏
森脇博信氏
井田正博氏
本田憲業氏
長谷川高志氏
羽田野和仁氏
 一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(ATS)は、6月13日に、全国家電会館(東京都文京区)で「ATSセミナー」を開催した。6回目にあたる今回のテーマは第1部が「一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会会員からの提言」、第2部が「外から見た遠隔画像診断サービス」であった。
 第1部の座長は、石垣武男氏(名古屋城北放射線科クリニック)が務め、5題の発表が行われた。
 嗣江建栄氏(VewSend ICT)は、「ViewSend遠隔医療の展望」について発表。同社の緊急医療コミュニティシステムは「一次受け入れ時のCT/MRI等の患者情報を3拠点で共有し、テレビカンファレンスを行うことで患者の転送判断の迅速化・適正化が可能となる」と述べた。今後は在宅医療への取組を検討しているという。
 石橋忠司氏(ラドネット東北) は、「遠隔画像管理加算はラドネット東北の現況と課題(今後の遠隔医療に期待するもの) 」について講演。システム・運営の問題点として遠隔画像管理加算に関する施設基準について言及した。「遠隔画像管理加算は、受け取り側が特定機能病院やへき地医療拠点病院などの基準になっているため、大病院との関係性が強く、中小病院、医院や会社型では、恩恵が受けにくい。そのためには制度の後押しが必要だ」と語った。
 平澤之規氏(メディカルイメージラボ)は、「パブリッククラウドを利用した遠隔画像診断の可能性(みんな仲良く)」について発表。「24時間読影、部位別専門読影、CTC読影、小児読影、実体モデル作成、オートプシーイメージング、臨床治験支援など今後、医療機関や検診業者からの要望が増えていく」と説明し、「遠隔画像診断が当たり前の時代を作る。ATSがその時代を作ろう」と思いを述べた。
 宮司 順氏(イー・メディカルソリューションズ)は「イー・メディカルソリューションズ 現状と展望」をテーマに発表。現状の課題として、所見・判定等のマスタが統一されていない、判定基準が施設毎に異なる、複写紙などの紙文書が多い事を挙げ、「読影効率が低下し、読影医師への負担が大きくなる原因となる」と説明した。
 市川 守氏(ダイヤメディカルネット)による「ダイヤメディカルネット社の現状と団体へのご提案」に関する発表では、ATSの正会員会費の見直しを提案した。これまでの固定型会費ではなく、事業所の数、会社の規模で会費を算出する変動型会費にするという案で、「しかるべき時期に会員会費の適用変更を目指す」と語った。
 第2部は座長を煎本正博氏(イリモトメディカル)、森脇博信氏(ドクターネット)が務め、4題の講演が行われた。
 井田正博氏(荏原病院)は「遠隔画像診断をめぐる、医療情勢、画像診断管理・診療報酬」について発表。「後期高齢医療費、医療介護一括法改正、画像診断診療報酬を取り巻く問題点」などの切り口から医療費・診療報酬の現状と今後の方向性を解説。その中で「ICTを活用した地域医療ネットワークの整備が求められており、遠隔画像診断がより活用される可能性がある」とした。
 本田憲業氏(埼玉医科大学総合医療センター)は、「遠隔画像診断サービスの標準化」について講演。遠隔画像診断につきまとう問題として「撮影プロトコルの設定、撮影画像最適化のための指導、誤字・依頼意図に対して的外れなレポート、臨床情報・検査所見のタイムリーな入手が困難」などの点を挙げた。それらの問題解決のために「今後は、共有する情報の種類、書式、ファイル形式、語彙を標準化し、安全に利用することで医療の質が高まる」と語った。
 長谷川高志氏(群馬大学医学部附属病院)は、「遠隔医療と遠隔画像診断サービス」について論じた。遠隔画像診断技術は地域医療政策において重要な要素となっていることを述べ、その上で「地域医療政策関係者が遠隔画像診断の利点を把握してない部分がある。価値を示すためのエビデンスが求められる時代となった」と話した。
 羽田野和仁氏(西大宮病院)は、「ユーザーから見た遠隔画像診断」について講演した。再読影依頼を行う基準として「過去との比較読影で内容があまりにも違う、依頼内容に沿っていない、あっさりしすぎたレポート内容」といった点を挙げ、「今後は読影レポートの統一化と顔の見える・積極的にコミュニケーションの取れる読影医、オペレーターが必要だ」と締めくくった。
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