東芝、川崎市にヘルスケア開発センターを開所、画像診断システム等の研究開発体制を強化

2014.12.18
田中久雄氏
綱川 智氏
開所式風景
 (株)東芝は、12月17日に小向事業所(神奈川県川崎市)内にヘルスケア開発センターを開設した。
 はじめに田中久雄氏(同社代表執行役社長)が登壇した。同センターは超音波やMRI等の次世代製品の開発加速や中長期の差異化技術の開発を目的とする。超音波やMRIの研究者ら約50名を同センターに投入し早期の市場投入を目指す。
 また、ヘルスケア分野における研究開発費を2016年度に3割増の500億円を投入し、国内外の研究開発人員も2割増の約3,800名に増員することを発表した。
 今後、同事業をエネルギー、ストレージに次ぐ、第三の柱と位置づけ、強化する計画だ。同氏は「これまで135ヶ国以上の国々に画像診断装置などを供給した実績とチャンネルを生かし、製品開発を加速し事業拡大を目指したい」と語った。
 次に綱川 智氏(同社執行役上席常務・ヘルスケア社社長)が「研究開発体制の強化について説明を行った。同センターでは、画像診断機器の市場においてグローバルでTOP3の一角を目指すことを目標にマーケットの成長が著しいMRIと超音波装置を研究テーマに選定し、開発を加速する」と述べた。
 同氏は東芝ヘルスケアの強みである3つの開発力を紹介し、1つ目は長年の医療従事者との信頼関係からニーズを把握し実現する開発力、2つ目に今年上市したPET-CTや核医学診断システムを例に最新の医療技術やアプリケーションを生み出す開発力、最後に神奈川県立がんセンターへの重粒子線がん治療技術の導入をはじめとした新規事業を展開する開発力である。同氏は「これらの3つの開発力を生かして戦略として掲げているHuman Smart Communityを実現するために努力していきたい」と締めくくった。