イリモトメディカル、第4回イリモトメディカル画像セミナーを開催

2013.06.12
煎本正博氏
石井千佳子氏
久保田一徳氏
服部裕昭氏
 (株)イリモトメディカルは6月10日、「にっぽんの…」(東京都千代田区)にて第4回イリモトメディカル画像セミナーを開催した。
 会の冒頭、煎本正博氏(同社代表取締役)が「今年も本セミナーを開催することができて大変嬉しく思う。セミナーの講演は自分自身多大な興味を持っているものであり、より多くの人に聞いてもらうと共に、意見交換の場として役立ってくれることを期待している。また、単なる意見交換に留まらず、皆さんの良き交流の場になるよう願っている」と挨拶。その後、石井千佳子氏(イリモトメディカル画像診断部)司会の元、「乳がんの画像診断」をテーマに講演会が始まった。
 講演では、久保田一徳氏(東京医科歯科大学医学部附属病院)が「乳房MRI:私の読み方・レポート方法とBI-RADS」について発表。「乳がんの発見はとても困難であるが、不明瞭なことをレポートに記載してはならない」と述べた上で「BPE(背景乳腺増強効果)はかつてMRIでは異常と考えられていたが、正常乳腺自体が変動し増強効果を呈するので、正常として扱わなければならない。コントラスト重視のモダリティであるMRIでは診断・鑑別診断に限度があるので、BI-RADSに準拠してレポートに記載する。したがって、BI-RADSの報告形式を把握する必要がある。しかし最も大切なのは他モダリティをあわせた総合的判定である」と解説した。
 次に、服部裕昭氏(国家公務員共済組合連合会立川病院)が「iPadによるマンモグラフィ読影研修の試み」を講演。「iPadの普及に伴い、大量のデータをコンパクトにまとめることが可能になったが、マンモグラフィをiPadで見るためにはデータからファイルを作り出す必要があり、とても不便である。そこでmhFilesRというiPadならiBooks、PCならAdobe Readerで使用できるマンモグラフィ読影研修用PDFファイルを作成した。作成にあたり懸念された画質だが、iPadで確認したところ、DICOMを医療用モニタで見た場合と比較しても遜色のないものであった。ソフトウェアではなくファイルであるため、症例の蓄積が可能であり、持ち運びにも優れている。mhFilesの登場により、今後カンファレンスや勉強会の在り様も変わっていくだろう」と語った。
会場の様子