フリールとシーメンス、世界初の3Dデジタルマンモグラフィ装置搭載車を共同開発

2012.10.15
平川雅之氏
大塚恭一氏
佐藤俊彦氏
福田 護
木佐彩子さん
3Dデジタルマンモグラフィ装置搭載車
 (株)フリールとシーメンス・ジャパン(株)は10月11日、世界初となる「3Dデジタルマンモグラフィ装置搭載車」の合同記者発表会を東京プリンスホテル(東京都港区)にて開催した。
 同車両に搭載されている、3Dデジタルマンモグラフィ装置は、まだ日本でも20数台しか導入されておらず、今回世界で初めて車載化された。レンタル料金は基本料金が\100,000/日(税別)で、10月12日から医療法人DIC宇都宮セントラルクリニックにてレンタルが開始される。
 まず、平川雅之氏(フリール(株)代表取締役CEO)が同車両の概要を説明した。最大の特長は日本初の24時間環境管理モニタリング機能を搭載した点だ。遠隔管理環境システムを導入し、エアコンと除湿機により撮影室の環境を一定に保つと共に、直接外気が入らないようレイアウトにも工夫がなされている。
 続いて大塚恭一氏(シーメンス(株)SPビジネスマネージメント部)が、搭載されるシーメンス・ジャパン製の「MAMMOMAT Inspiration」の特長を解説。「従来のモリブデンに加えタングステンを使用した二十陽極管球(Mo/W)W陽極により、1回の被ばく量を50%削減することができた」とし、新技術DBTを用いた3D(トモシンセシス)撮影では25回の低線量撮影を行い、乳房の厚み方向に対して1mm刻みで断面像を見ることが可能となった。
 次に、佐藤俊彦氏(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック理事)により乳がんにおける画像診断の役割について説明が行われた。石灰化・乳腺症例など計5症例をスライドで提示しつつ「2Dによる撮影で怪しいと思ったものも3D(トモシンセシス)を使用することにより自信をもって判断できる」と新技術への期待を示した。
 最後に乳がん検診の経験のある木佐彩子氏(フリーアナウンサー)による疑問に、福田  護氏(聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長)が答える形でのトークセッションが行われた。