富士フイルム、新世代内視鏡システム「LASEREO」を発表~レーザー光源を用いて粘膜表面の視認性を向上~

2012.09.07
玉井光一
早川利郎
加藤元嗣
 富士フイルム(株)は9月4日、同社会議室(東京都港区)にて新製品発表会を開催、新世代内視鏡システム「LASEREO」(レザリオ)を紹介した。
 はじめに、玉井光一氏(同社取締役・常務執行役員メディカルシステム事業部長)が同社のメディカル事業の概要と今後の展望について述べた。同氏は「これまで、診断の領域を軸にして事業を拡大してきた。今後は治療、予防の分野に力を入れていくとともに、弊社のLASEREOにて新しい診断技術を提供できるのではないかと考えている」と語った。
 次に、早川利郎氏(同社執行役員R&D統括本部メディカルシステム開発センター副センター長)が「これまで富士フイルムが培ってきた2つのコア技術、レーザー光源技術と画像処理技術を内視鏡システムに融合させた製品だ」と説明した。
 最大の特徴は、これまでの内視鏡システムと異なり、波長の異なる2種類のレーザーを搭載することにより、従来の画像強調像と比べて、粘膜表層の微細構造を鮮明に映し出し、より深部の微細血管を描出することが可能になったことだ。また、目を保護する特殊な眼鏡等を必要とせず、従来品よりも長寿命・低消費電力で運用できる。
 最後に、加藤元嗣氏(北海道大学病院光学医療診療部診療教授)が「これまで外科的切除のための診断に用いられてきた内視鏡だが、技術の進歩により内視鏡的治療を行う時代になってきている」と語り、LASEREOに望むこととして①狭帯域光観察による拾上げ診断、②新たな拡大内視鏡診断、③形態診断に加えた病態機能診断を挙げた。
 新しく搭載されたBLI(Blue LASER Imaging)機能では、粘膜表層の微細血管や粘膜微細模様などが高コントラストで得られ、表面構造の変化などが観察しやすいという。
会場の様子
LASEREO