GEヘルスケア・ジャパン、ウィメンズ・ヘルスケアセミナーを開催 ~高齢出産・少子化時代における超音波診断装置の役割を紹介~

2012.08.22
多田荘一郎氏
市塚清健氏
重政みのり氏
 GEヘルスケア・ジャパン(株)は8月21日、赤坂パークビル(東京都港区)にて「ウィメンズ・ヘルスケアセミナー」を開催した。
 はじめに多田荘一郎氏(同社超音波本部長)が「超音波診断装置によって安全に安心して子供を産める環境に貢献できることを誇りに思う」と挨拶を述べた。
 続いて市塚清健氏(昭和大学医学部産婦人科学教室)が「高齢出産・少子化時代の妊婦を支える産科医療~超音波が繋ぐお腹の赤ちゃんと両親の絆~」と題して講演を行った。市塚氏は日本国内における母の年齢別出生数の年次推移の表より、1995年には約10%程度であった35歳以上の母親による高齢出産が2010年では25%になっていることを示した。また昭和大学病院総合周産期母子医療センターにおいては、2011年に10人に1人が40歳以上の超高齢出産であったと語った。しかしながら、周産期死亡率は減少しており、日本の周産期医療の質の高さによるものと考えられる。
 市塚氏は、超音波診断装置における胎児期の診断の有用性についても呈示。近年では胎児診断を高度な装置で行うことにより、妊娠リスクの評価や、必要があれば胎児期の治療、また出産後の素早い対応の準備も可能になったという。0歳の死因の45%は先天奇形(心奇形含む)であり、そうした先天奇形を生まれる前の胎児期から診断することで、出産後に早期治療を行ったり、奇形のある胎児でも出産前に姿を確認することで、出産時の母親のショックを和らげることができる。さらに、より鮮明に胎児を映し出せることで、父性や母性、胎児に対する愛情が増すという効果もあるという。東日本大震災の被災地で、同社のVscanが胎児の様子を映し出すことで母親に安心を与えることに役立ったという事例も紹介された。市塚氏は、先進的な超音波診断装置の使用が周産期医療において有用であると語った。
 最後に重政みのり氏(同社超音波本部)よりVoluson E8 HD Liveの概要が紹介された。HD-Liveでは、従来の撮影方法と同様にも関わらず従来のRenderingと比較して、よりリアルに胎児を映し出すことができる。Light Sourceという光を当てる表現では、Lightの照射方向を変えることで、胎児の様子を詳しく知ることができるという。また、京都府では遠隔診断支援システムも構築されていることを述べた。
 最新鋭の技術により、超音波診断装置の可能性が広がっていることが示された。

妊娠初期胎児
妊娠後期胎児
Light Sourceによる画像

Voluson E8/Expert
会場の様子