エルクコーポレーション、第9回エルクセミナー「健診施設における、今後への提言」を開催

2012.03.21

武田典道氏
煎本正博氏
堀 洋児氏
中谷 智氏
会場風景
 (株)エルクコーポレーションは3月17日、砂防会館(東京都千代田区)にて第9回エルクセミナー「健診施設における、今後への提言」を開催した。
 まず、武田典道氏(キヤノンITSメディカル(株))が「健診業務再構築のポイントと手法について~仕事の棚卸しと見える化ツール活用のすすめ~」を発表。システム導入を考える上では組織の問題点を明確にすることが重要であり、検査結果などの煩雑化した情報を収集するシステムとして同社の『ICカードハンディ健診』を紹介。「ICカードに患者様の健診毎にデータを追記していくため、データの一括保存が可能。ヒューマンエラーや検査漏れの防止につながる」と語った。
 次に、「健診読影のマネジメント~読影環境の整備から精度管理まで~」と題して、煎本正博氏((株)イリモトメディカル)が講演。同氏は「我々医療従事者は良い医療をすることが大切であり、機器はそれを向上させるものであるかがポイント」とし、「モニタの管理においてはモニタの輝度劣化の程度を毎日チェックすることが望ましい」という。また検診の精度管理について、「偽陽性診断は被検者への不要な再検査(ムダ被ばく)が増え、発がんリスク、医療費増大、検診の有効性の低下といった問題にもつながるため、要精検率のコントロールは重要である。特に原発事故以降、検診従事者は放射線の正しい知識を持ち、安全な検査を確保したい」と述べた。また、「読影の精度を高めるためにも、ディスプレイのグレア防止策などの読影環境の整備も重要な要素である」と締めくくった。
 続いて、堀 洋児氏(慈友クリニック)より『「脂肪肝」健診における超音波検査のとりくみ~脂肪肝、そのままにしておきますか?~』が発表された。同氏は、脂肪肝の問題点は自覚症状が無く、積極的に改善しようとする人が少ない点だという。そのため、「改善を喚起するためには脂肪肝の改善成功者の話を必ず聞き、今後取り組む人たちの参考にすることや、改善が認められた場合にはその状況を伝えることが非常に重要」と語った。
 最後に、中谷 智氏(順天堂大学)が「健診における眼底検査でわかること」を講演。近年の眼底撮影検査では高性能な撮影が可能であるため、眼疾患の早期発見により予防医療へと転換しているという。また、「現状では周辺部網膜の撮影検査は難しいが、今後、広い範囲の網膜が確認できる眼底撮影が可能になることに期待している。さらに、遠隔画像診断システムの構築によって、多くの眼科医のより正確な眼底撮影検査を行うことが眼疾患の早期発見につながる」と述べた。
 
 本セミナーでは各社の機器展示も同時開催された。
 
●機器展示
・キヤノン:デジタルX線ラジオグラフィ、デジタル眼底カメラ、眼圧計、ICカードハンディ健診システム
・Carestream :イメージング関連製品
・i-TEC:総合健康管理システム
・Kanden:眼底画像遠隔読影支援サービス
・エルクコーポレーション:mammary、DOMEモニタ、ヘルスプロモーション機器

Pick up!

左:CXDI-80C Wireless、右:CXDI-70C Wireless
●Canon:デジタルX線ラジオグラフィ「CXDI-70C Wireless」「CXDI-80C Wireless」
高感度・低線量を実現した「CXDI-70C Wireless」「CXDI-80C Wireless」。電源ケーブルも、通信ケーブルも不要であり、「CXDI-70C Wireless」はバッテリーを含めてわずか3.4kg。X線撮影室だけでなく、車椅子や救急への対応時にも、より快適な操作が可能となった。また、軽量・薄型のワイヤレスながら、従来機種(CXDI-55シリーズ)と同等の強度も確保し、総画素数950万画素、高速表示約3秒が可能。「CXDI-80C Wireless」は重さ2.3kgの小型・軽量ワイヤレス。頭部や頸椎、四肢の撮影、小児・新生児の撮影にも適している。

DOME Medical Display
●エルクコーポレーション: モニタ「DOME Medical Display」
DICOM Part14準拠のGSDF自動キャリブレーション機能により、最適性能を長期間発揮可能にする。また、表示品質を自動維持・監視するグラフィックスカードと品質管理ソフトウェアを標準パッケージとして搭載。「モニタの品質管理は重要だが管理コストやリソースは省きたい」という現場の声を満たした製品といえる。モノクロディスプレイは2、3、5、10Mの4種をラインナップに持つ。