GEヘルスケア・ジャパン、第24回GEヘルシーマジネーション大賞表彰式を開催

2012.03.02
川上 潤氏

小川 彰氏

劉 磊氏

集合写真
 GEヘルスケア・ジャパン(株)は2月29日、赤坂パークビル(東京都港区)にて第24回GEヘルシーマジネーション大賞表彰式、講演セミナー、寄付金贈呈式を開催した。
  同大賞の今年のテーマは「世界一の医療先進国へ~震災が教えてくれた日本の医療の将来像」。開会に際し、川上 潤氏(同社代表取締役兼CEO)は本イベントに寄せられた意欲的かつ具体的な提案が「被災地の復興のみならず、新しい医療をつくるきっかけとなってほしい」と挨拶を述べた。
 続いて表彰盾授与ならびに受賞者挨拶が行われた。受賞者は表1の通り。
一般部門で大賞を受賞した劉 磊氏は、震災によって高齢者医療の対応不足が浮き彫りにされたことにふれ、「高齢者が笑って暮らせる社会の実現を願う」とコメントを述べた。
  大賞受賞者には賞金10万円が贈られるほか、被災地復興に取り組む施設や団体に対する同額の寄付権が付与される。劉氏は「特定非営利活動法人アムダ(AMDA)」(本部:岡山県岡山市)に、田中健一氏は「日本プライマリ・ケア連合学会 東日本大震災支援プロジェクト(PCAT)」(仙台本部:宮城県仙台市)にそれぞれ10万円を寄付した。
 セミナーでは「3.11大災害が教えてくれた災害医療の問題点と今後の医療」と題して小川 彰氏(岩手医科大学学長)が講演。今回の災害による犠牲者の9割は津波で亡くなっており、怪我や創傷等、急性期の患者が少なかったと説明。燃料、医薬品、食料その他物資が不足する中、行政の対応が遅れたこと、また被災から約1年が経過した現在もスムーズに進展しないことが報告された。
 通信の遮断と医療情報の消失により、医療現場では被災直後から患者への対応が混乱。岩手県では支援医療チームに対し一定条件を設けたライセンス制を敷き、全チームの動きを県が把握、機動的な診療ができたと説明。また、以前から遠隔医療を推進してきた岩手県では、「周産期医療情報ネットワーク“いーはとーぶ”」が機能。津波で喪失した母子手帳のデータが岩手医科大学のサーバに残っていたことから、安全な出産につなげることができたとの報告がなされた。
今後の医療再生として、過疎地被災地型「病診」、「病福」連携、遠隔診療システムの整備、災害時地域医療支援教育センターの設置、エネルギー自己完結型災害拠点病院の整備等を網羅した「いわて過疎地被災地新医療モデル」を構築していきたいと抱負を語った。

表1  受賞者一覧
<一般部門大賞>
劉 磊 (会社員)  「医民官、三位一体のMade in Japan」
<学生部門大賞>
田中健一 (名古屋大学医学部)  「私の理想が日本医療の理想と出会ったとき」
<優秀賞>
竹田陽介 (医師)  「命をつなぐ家族の絆」
小谷瑛菜 (日本女子大学人間社会学部)  「決意」
佐藤藍子 (会社員)  「『ドラえもん』の生きる未来」