【JRC2012スペシャルレポート】「その6 第4回SIRCHS研究会(第71回日本医学放射線学会総会2日目夜)」 米虫 敦先生(関西医科大学放射線科)より
米虫 敦先生(関西医科大学放射線科)より、JRC2012の速報をいただきました!

2012.04.16
SIRCHS研究会とは、Society of Interventional Radiology, CNS, Head&Neck, and Spine.の略であり、久留米大学の安陪等思先生を代表世話人として、大分大学の清末一路先生、医真会八尾総合病院の高山勝年先生を中心に開催されている研究会である。脳神経、頭頸部、脊髄脊椎領域の幅広い疾患のIVRに関し討論し知識を深めることを目的として、日本医学放射線学会総会の金曜日の夜に開催されている。また、SIRCHSハンズオンとして、過去に5回のハンズオンセミナーが開催されている。
第71回日本医学放射線学会総会2日目の夜。筆者は、横浜中華街のメルパルク横浜で開催された第4回SIRCHS研究会に参加してきた。今回の第4回SIRCHS研究会では、全部で12題の演題について、白熱したディスカッションが繰り広げられていた。
セッション1は、頭頸部領域の動注化学療法についてのセッションで、3題の演題が発表された。本領域は、最近になって放射線の外照射を併用した動注化学療法が非常に注目されており、良好な成績が報告されている。JIVROSGにおいてもJIVROSG-0808が「上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第II相臨床試験」として臨床試験の準備がされている。本セッションでは、JIVRSGの臨床試験の紹介や、口腔底癌に対する臨床成績、選択的動注時のCone-beam-CT の活用等が発表されていた。
セッション2では、眼動脈分岐部瘤に対するEnterprise Stentの使用経験、髄膜腫の術前塞栓術や経静脈的塞栓術にMRI arterial spine labeling法(ASL法)を応用した発表、ガレン大静脈瘤にRASA1遺伝子異常が確認できた症例報告、眼動脈へのマイクロカテーテル挿入方法の検討に3D血管モデルが有用だった症例等が発表された。
セッション3は、筆者が座長を務めさせていただいたのだが、セッションの開始早々にプロジェクターが故障してしまい、懇親会中に発表を行ってもらうこととなった。懇親会中に発表していただくことになった演題は全部で4演題、椎体形成術後の続発性骨折、椎体形成術とKyphoplastyの比較、NF-1の頭蓋外椎骨動脈瘤にproximal occlusionをした症例報告、進行癌患者の総計動脈仮性瘤に対する塞栓術の症例報告である。後半の症例報告では、参加者のアルコールも進んでおり、歯に衣を着せぬ白熱したディスカッションが延々と繰り広げられ、大いに盛り上がった。プロジェクターの故障は残念なトラブルであったが、懇親会でアルコール片手に症例検討を行った結果、ディスカッションが白熱したため、次回の当番世話人の清末先生と「来年も症例報告は懇親会会場でやることにしようか?」などと話し合った。
来年に「ほろ酔い症例検討会」が本当に実現するかどうかは未定ではあるが、次回の第5回SIRCHS研究会は、2013年4月12日(金)の夜(日医放総会2日目の夜)に開催予定である。
SIRCHS研究会Webページ: http://www.sirchs.jp/index.html

懇親会場でセッション3は行われることとなった。