NEWS 2004.8.25



第6回医用画像認知研究会、第6回遠隔画像診断部会、
第4回画像診断報告書研究会、第23回医用画像電子化研究会
― 8月21日、22日 徳島市

徳島市で上記合同研究会が開催された。
東京大学、北海道大学からフィルムレスシステム導入経験の報告があった。既存の病院にフィルムレス化するためには、膨大な数の画像端末が必要になり、経費が問題である。例えば東京大学では1200台もの端末が必要となり、電子カルテ端末で画像を参照する場面も生じ、単純写真では臨床から"画像がみづらい"という苦情もある。単純写真全てを放射線科医が読影できない状況では大変問題があるように感じられた。しかしながら、大規模PACSでは民生用モニターが診断に使われることはとどめようがない、放射線科医の活動はこれを意識した業務形態をとる必要があると考える。

西の京病院尾辻先生から、色覚バリアフリーに関する報告があった。色盲の放射線科医もおり、画像ビュワー設計時にも色だけに意味をもたせる画面作りをしない、白黒コピーでも内容がわかるような工夫が必要であるとの提案があり大変興味深かった。フロアからは、老眼も含めて、放射線科医の肉体的負担を軽減するようなビュワーのガイドライン作りを研究会や班研究で進めてほしいとの意見があった。

東北大学から民生用液晶モニターの画像評価実験の結果が報告された。その結果、医用モニターよりも優れたモニターもあり、CT・MRIは液晶モニターで十分ではないかとの報告であった。しかし、フロアからは民生用モニターは経時的変化を考慮していないので注意が必要であるとの指摘もあった。

名古屋大学から単純写真での肺結節の診断能を各種解像度(1- 5M)の液晶モニターで検討したが、ROC解析の結果はどのモニターでも差は見られないとの報告であった。筆者は常々、過大な高精細モニターは時間(PCの能力によっては表示時間がかかる)と金の無駄使いと訴えているが、これを裏付けるデーターと考えられる。

筆者はドック・検診診断を遠隔画像診断で開始した現状を報告した。ドック・検診にフィルムレス診断を導入することにより診断精度を向上できた実績を提示し、遠隔画像診断でもこの効果を得ることができることを話した。

都立荏原病院の井田先生は遠隔画像診断に診療報酬を要求するにあたっての解決すべき問題を提起された。遠隔画像診断診療報酬化の当面の目標は現在、へき地支援病院などに限るとしている現在の遠隔画像診断加算の施設基準を撤廃することである。しかし、単純にこれを撤廃しただけだと、非常勤といえどもon-site radilogistには報酬がなく、放射線科医の勤務のない遠隔に報酬がつくという矛盾が大きくなることを指摘した。画像診断管理加算を増額の上、非常勤放射線科医の業務への報酬を考慮し、on-siteの分、on-lineとの差をつけるべきであろうと話された。また、受診施設の施設基準を設け、開示することや、読影医の身分を明らかにする必要があり、さらに、無駄な検査を抑制するためにも送信側の施設基準も設定する必要があることも訴えられた。

なお、遠隔画像診断に関しては、社会的に認知される前に放射線学会内部でもコンセンサスを得られていない。専門医会にワーキンググループを発足させ、エビデンスにもとづ
いた施設基準、ガイドラインなどを検討することになった。また、今秋の日本医学放射線学会秋季大会でワーキンググループを開催する予定である。

(有)イリモトメディカルイメージング 煎本正博


附:研究会は22日午前で終了。午後の個人手配のポストコングレスツアーは、"プチお遍路さん"。個人タクシーをお願いして、帰りの飛行機までのあいだ、四国88カ所のうち一番から十番まで回って、放射線科のこれまでの発展を感謝するとともに、皆様の健康を祈願してきた。


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