NEWS 2004.7.30



最新MDCT情報:Stanford International Sympojium on Multidetector-Row CTに参加して

Annual International Sympojium on Multidetector-Row CTが2004/6/23-26にSan FranciscoのRitz-Carlton hotelにて開催された。Stanford大学主催のMDCTに関する国際シンポジウムであり、今年ですでに6回目の開催である。私の留学時代の師であるGeoffrey D. Rubin先生がProgram Directorを務めている関係もあり、私自身も6回目の参加で開催以来毎年参加していることになる。丸4日間、朝7:30から夕方17:00過ぎまでびっしりとMDCTに関する講義を聴くことになる。MDCTの基礎的事項から最新技術、被曝、CTスクリーニング、システムやワークステーション関連の話から、小児、緊急医療、頭部、胸部、腹部、泌尿器、骨盤、心臓領域、大動脈から末梢血管まで豊富である。今年は参加人数が全世界から700人を超えており、MDCTに対する注目度の高さが伺われた。講義は20-30分程度のもので、世界的に著明な55名の先生方が招かれていた。

このシンポジウムに合わせて、各社40列以上のMDCTの臨床画像の発表が行われた。

1) 東芝:藤田保健衛生大学の片田和廣先生が64列MDCT(64×0.5mm)と256列(256×0.5mm)の面検出器に関する発表を行った。多数の32/64列MDCTの臨床画像を提示して、より短いスキャン時間、0.5mmスライス厚による広範囲スキャン、機能画像、より高画質化した冠動脈画像など32/64列MDCTの利点を示した。新たに開発されたコーン角を考慮した心臓のセグメント再構成は今後が期待される。また、256列CTで豚の心臓を流れていく造影剤の4D画像もインパクトがあり、面検出器の将来を期待させるものであった。

2) シーメンス:すでにRSNAで64列のSomatom Sensation 64が発表されていたが、新たにSomatom Sensation Cardiac 64の発表が行われた。シーメンスの64列MDCTは、他社の64列MDCTとは異なり、検出器は32列×0.6mmであるが軽量のStraton管球を用いてZ軸方向のDouble z-Sampling (flighing focal spot)を行うことにより64列分のデータ収集を行うシステムである。現在、64MDCTが稼動しているのはドイツ内のサイトの様であったが、Johns HopkinsのElliot K Fishman先生が多数の臨床画像を紹介していた。また、この軽量のStraton管球を用いることにより、より高速なスキャン速度が可能となり、昨年末のRSNAでは0.37秒スキャンを発表していたが、さらにSomatom Sensation Cardiac 64では0.33秒スキャンを可能とした。残念ながら臨床画像をみることはできなかったが、心臓領域では非常に期待される技術である。

3) GE:64列MDCT(検出器64×0.625mm)であるLightSpeed VCT 64の臨床画像をMedical College WisconsinのDennis Foley先生が発表した。心臓を含めた循環器領域の画像を中心に数多くの臨床例を示して、64列MDCTの有用性を示されていた。また、GEのパーティー会場では、新しい検出器とDASシステムが実機上で展示されており、GEの力の入れようが感じられた。

4) Philips:今回は64列の発表はなく、40列の臨床画像に関する発表がCarmel Medical CenterのNathan Peled先生により行われた。すでに400例を越える臨床例の実績があり、40列MDCTは試験的なものではなく、すでに日々のルーチン検査の中でなくてはならない診断法であると述べた。

以上、各社、40列以上のMDCTが臨床サイトで稼動するようになった。1999年に4列MSCTが登場し始めた頃、こんなに早く多列化が進むとは思っていなかった。嬉しい反面、我々にとっては機器更新を考えると頭痛の種ですね。

自治医科大学大宮医療センター放射線科 小林泰之


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