NEWS 2004.4.13



もう一つの RSNA 2

本誌(Rad Fan)2月号にて"もう一つのRSNA1"と題して RSNA 2003におけるIntroductory Seminar for Young Academics (ISYA)とタイコ ヘルスケア ジャパン(株)主催のSeminar in Chicagoを取り上げたが(RadFan2(1):28-35)、本稿ではエーザイ(株)主催のEvening Seminar in Chicagoを中心に、McCormick Placeの外で開催された"もう一つのRSNA"について報告する。

Evening Seminar in Chicago

Productive/Successful Life in U.S.A for Japanese Radiologist (放射線科医のアメリカでの日々の実生活)と題したセミナーがシカゴのホテルで開催された。このセミナーを企画され、座長を務められるご予定であった聖路加国際病院の沼口雄治先生が所用のためご出席できなかったのは残念であったが、日頃日本では拝聴できない貴重で大変有意義な内容であった。"もう一つのRSNA1"と同様、印象記というよりもその内容をなるべく忠実に再現することに務めつつ、筆者の感想も交えながら以下プログラムに沿って述べたい。


How to make good educational exhibits
Rochester大学医学部 放射線科
森谷聡男先生

RSNAやASNR等にて4つのMagna Cum Laudeをはじめとする数々のawardを受賞され、"Award Hunter"と称されるRochester大学の森谷先生が"How to make good educational exhibits"と題して、educational exhibitを作成する"コツ"を中心にお話しされた。筆者もRSNAのeducational exhibitにはほぼ毎年、演題を出しており、取材という立場を忘れて興味津々で聞き入った。先生はRadioGraphicsの二つの文献(RadioGraphics 2000;20:1059, Radio Graphics 1993 ; 13:3)およびRSNA 2002のeducational exhibits guidelineの内容を引用しつつお話しされた。以下、森谷先生のお話に沿って述べる。

■Contentが重要!
まず森谷先生が強調されたのは、presentationよりもcontentの方が大切、即ち"どうプレゼンするか?"よりも"実際の中身、内容を充実させること"が重要だ、ということを強調された。educational exhibitは"教育展示"だから普通に教育上、役に立つことをそのまま書けば良いかというと、そうではなくやはり"オリジナリテイ"がeducational exhibitでも重要なキーワードとなる。実際の内容を考える上では、"originalconceptsを重要視する"、あるいは"state-of-the-art(最先端)の最高水準の内容や画像を含める"という2つの方向性が考えられるが(RSNA 2002 educational exhibits guidelineより)、森谷先生ご自身はoriginal conceptsを重視して作ることが多いと述べられた。basic scienceの知識、例えばanatomyやpathology, neuroscience etc …の知識を日頃蓄積しておいて、それにoriginal conceptsを加えて、かつそれを画像を使って説明する。そしてそれらの画像はルーチンワークの中で集める。

■症例を集める
educational exhibitに役立つ症例をどうやって集めるか?…「自分の部署で誤診例が発覚したら、まず最初に僕は喜びます」というジョークからそのお話しははじまった。ルーチンワークの中で森谷先生が症例収集として注目していらっしゃるのは"画像診断の誤診例(misdiagnosed cases)"であるとのこと…どういうところを間違えたのか? それは教授が間違えたのか、レジデントが間違えたのかによっても違ってくるが、誤診例には多くのヒントが隠されている。画像所見から特定の診断を類推して、その類推が外れた場合は、既存のconceptでは説明できない"何か新しいもの"が隠されている可能性があるのだ。またrare caseにも注目が必要だとも述べられた。

■イラストレーション
"original concepts"を説明するのに、オリジナルのカラーイラストレーションを盛り込んでわかりやすく説明することが重要である。それはPowerPointだけで十分に作れる、と実際に森谷先生がご自身のeducational exhibitポスターの中でPowerPointを用いて作られたイラストを明示してくださった。また米国ではmedical graphic designerが各departmentに所属しているので、彼らの助けを借りて奇麗なポスターを作るのも選択肢の一つであるとも述べられた(我々、日本の放射線科医にとっては羨ましいお話だ…)。

■臨床的意義
どんなに創造的にものごとを考えて素晴らしいexhibitを作っても、"臨床的意義"がなければRSNAでは高く評価されない。ポスターの中で臨床的意義を強調することも重要、と述べられた。

■audienceを考える
educational exhibitは、誰がそのポスターを見ても"教育的"でないといけない。レジデントにとっては面白いけれど、awardの審査員をやるようなエキスパートから見ればつまらない、というのでは素晴らしいポスターとはいえない。逆にエキスパートが見れば面白いが、レジデントが見たら"難しすぎてよく解らない"というのもいま一つ…つまりあらゆるaudienceを想定して、あらゆる症例を盛り込む。例えばdiffusionの内容のeducational exhibitを作成する場合、そのポスターを見るaudienceはdiffusion専門の人もいるがNeurointervention専門の人もそのポスターを見るし、レジデントも見る… そういうあらゆるaudienceにとって面白いように配慮することが重要。

歯切れの良い調子で森谷先生はeducational exhibit作成のコツを惜しみなく披露された。取材という立場も忘れて聞き入った筆者は、次回のRSNAではより"進化した"educational exhibitポスターが作成できるような、そんな勇気が湧いてきた。


How I survive the residency(米国放射線科研修)
Johns Hopkins大学医学部 放射線科
岡 真由美先生

外科医から放射線科医に転身し、米国に渡って計5年間の放射線科研修と臨床研修を終えられて現在、Johns Hopkins Hospitalでneuroradiologyのfellowとして勤務されている岡先生が、米国研修での貴重な体験について話された。

■放射線科医としてのスタート
岡先生は徳島大学をご卒業後、沖縄の米国海軍病院(US Naval Hospital Okinawa)でインターンをされ、この時の経験がきっかけとなって米国研修を目指すことになった。インターン終了後、最初は徳島大学の外科に入局したが、2年目頃よりインターベンションに対する興味がでてきたことと、診断の面白さに目覚めたことから放射線科への転身を決心された。

■どうして米国での研修を選択したか?
岡先生は米国での研修を選択した理由として、以下のように述べられた。米国ではトレーニングシステムが確立されていて、全国的なスタンダードに基づいた研修をどの病院でも受けることができる。そして指導医の先生のレジデントへの教育は(日本の病院でありがちな)"ボランティア"ではなく"義務"の位置づけであり、大切な仕事として認識されている…それが米国研修を選んだ一番大きな理由であると。それ以外にも米国研修の魅力として、マンパワーの大きさやresearchのmaterialがたくさんあることなどを述べられた。

■Matchingについて
日本でも今年度からmatching制度が導入されたが、米国での2003年のmatchingのデータによれば、(放射線科に限らず全科のデータとして)約2万4千人がmatchingにランクづけされ、そのうち20%強にあたる約5千人(大部分は外国人医学部卒業生であるが)が最終的にunmatchedであった。医学部を卒業しても就職先の病院が決まらない人が20%強もいるという米国の現状は厳しい。

■米国の"放射線科人気"
いま米国での放射線科の人気は"うなぎのぼり"で、その理由として当直が少ない、内科や外科に比べて勤務時間が短い、訴訟が少ない、高収入が得られる…といったライフスタイルの良さが人気の原因だと述べられた。

■Radiology Residency
現在、放射線科の研修(radiology residency)は1年間の臨床研修(1 clinical year)と4年間の放射線研修の計5年からなっている。米国内に約200のプログラムがあり、3720人の放射線科研修医が参加している。

■1年目の臨床研修(1 clinical year)
1年目の臨床研修、transitional programを岡先生はBostonのLemuel Shattuck HospitalというTufts大学の関連の公立病院で行った。この病院が岡先生にとってなかなかのカルチャーショックで、11Fがアルコール中毒患者の病棟、10Fが薬物中毒患者の病棟、9Fが囚人病棟、8Fが一般病棟、7FがAIDS病棟、6Fが結核病棟、4-5Fが老人病棟で、病院の隣りにはホームレスのシェルターが建っている…でもこれが米国では珍しくない、ある意味では米国を代表する病院といえるのだ。そのLemuel Shattuck Hospitalで岡先生は1年間、内科的な研修を行った。ほとんどど眠れない当直が3日に1回の間隔である。1晩で5〜10人の入院があり、しかも入院期間が3〜4日なため、前日に入院記録を書いたかと思うと次の日に退院記録を書くという感じ…体力的には厳しいものがあった。

■新しい医師―患者関係?(different patient-doctor lationship?)
1年目の臨床研修にて岡先生は"新しい医師―患者関係?"を体験された。米国ではagainst medical advice(AMA)というシステムがあり、患者さんが医師からのアドバイスや指示に対して"No"といえる権利が保障されている。そのかわり"医師のアドバイスに従わなかった場合は、その結果として何が起こっても医師ならびに病院側は責任をとりません"という書類に患者さんがサインをして、医師や病院側も法律的にしっかりと守られるしくみになっている。そしてdrug addict、特にpain killerの薬物中毒の人が病院にきて、腎結石やヘルニアのふりをして、「鎮痛剤の筋注が欲しい、欲しい」と懇願する。それに対して医師は"No"といえる…こういう"互いに協力し合わない医師─患者関係"というのが岡先生には新鮮であったとのこと。

■放射線科研修
1年間の臨床研修の後、岡先生はRochester大学で4年間、diagnostic radiologyの放射線科研修を過ごされた。放射線科研修医のプログラムは、4週間を1単位としたローテーションを繰り返す。レクチャー/カンファランスは1日に2回、指導医がレジデントに対して行う。
スタンダードな研修以外にspecial training courseというのがあり、neuror-adiology trackやangiointervetional trackといった具合に4年間の中で特別に興味のある分野だけを集中的に研修できるようなプログラムも選択することができる。そのspecial training courseの一つとしてRadiology/MPH programというものがある。これは将来academic radiologyを目指す人のために設けられたcourseで、epidemiologyやstatisticsを1〜2年間研修した後、通常radiological studyやprocedureのcost-efficiencyに関するresearchを行う。

■米国放射線科の"マンパワー"
例えば岡先生が放射線科研修をされたRochester大学(約600〜650床)の場合、放射線科のレジデントが23人、指導医が30人、fellowが9人いて(岡先生がレジデント4年目時の数字)、それにさらにphysicsやresearch assistantの先生もいて、一緒に共同研究をやったり、physicsの試験の時には講義をしていただいたりと"手取り足取り"のサポートがある。また学会発表などの際にstatisticianやgraphic designerが放射線科内にいるというのは大変大きなサポートで、心強い(マンパワーが日本とは違う!)。

■Radiology Board
radiology boardは、放射線科研修2年目か3年目に放射線物理(radiology physics)の試験を受ける。この際も放射線科にいるphysicsのPhDの先生が2カ月ほど集中講義をしてくださる("だから私でも試験にパスできる"と岡先生はおっしゃっていた)。筆記試験(written board)は3年目か4年目に受ける。そして口頭試問(oral board)を4年目の最終月に受ける。boardに晴れて合格したらお祝いのパーティーをやって、みんなそれぞれに旅立っていく。

■Fellowship
放射線科研修が終わったあとは、種々の分野でのfellowshipがある。1〜2年間のfellowshipというのも、凝縮された充実の時間を過ごすことができ、それはそれで大変有意義である。

■Interview
matching、放射線科研修、fellowshipと要所要所で面接(interview)を受けることになるが、一般に日本人はshyで、ましてや英語に自信がなかったりすると、"下を向いてボソボソ喋ってしまう"ことが気をつけても起こってしまいがち。broken languageでもいいから面接するインタビュアーの目を見てニッコリしながらハキハキと話すのが、まず一番大切である!"ムッツリ"して下を向いてボソボソ喋ってしまうと、"彼は多分、smartなんだろうけれども、私にはよく解らない"という風な印象をインタビュアーに与えてしまい、決して好ましい状況ではない。たとえ同じ才能を持っていたとしても、自分をうまくアピールできるかどうかでinterviewの結果は随分、変わってくる。自分が自分自身の"sales person"になるべきなのだ。

岡先生のお話しは筆者のように米国放射線科研修のタイミングを明らかに年齢的に逸している人間にとっても大変面白く、興味深く聞かせていただいたと同時に、日頃知ることができない米国放射線科事情を垣間見ることもでき、とても有意義であった。


How to pass USMLE and get medical license
(米国で放射線科医として働く)

Boston大学医学部 放射線科
酒井 修先生

酒井先生は、種々の試験をパスして医師免許を取得し、米国で放射線科医として働くまでのプロセスについて、ご自身のご経験も交えながらお話しいただいた。これらのシステムは州によって異なっていて、一部では試験を殆ど必要としない州もあるが、今回はできるだけ一般的なケースを念頭に置いてお話しされた。

■試験全体の流れ
まずはUnited States Medical Licensure Examination(USMLE)のStep1とStep2を受験する必要があり、それらをパスした後、外国の医学部卒業生の場合はEnglish testとしてThe Test of English as a Foreign Language(TOEFL)の受験が必要とされるケースが多い。そしてその後に模擬患者を診察するtestであるClinical Skill Assessment(CSA)を受ける。これらの4つの試験をすべてパスすることではじめてECFMG Certificateが取得でき、臨床トレーニングに参加することが可能になる。そして一般には臨床トレーニングをやりながら、あるいは臨床トレーニングをやった後で、最後の関門であるUSMLEのStep3を受けるが、州によってはある一定期間の臨床トレーニングをStep3受験資格の条件にしている場合もある。

■USMLE Step 1
基本的には基礎医学(basic science)の試験ということになっているが、臨床的な面も重視されており、発達・心理や精神科の比重が高い。非常に多い問題数を限られた時間で答えていかなければならないため、短時間で適確に答えていくトレーニングが必要。参考書はFirst Aid STEP 1 がオススメでamazon.comなどで入手できる。卒後10年以上など時間が経っている人は、最近出版された日本語の教科書で基礎医学(生理学、生化学、薬理学、微生物学など)を復習するのも良い。

■USMLE Step 2
USMLE Step 1を通ったらStep 2を受けるが、こちらは臨床医学(clinical science)が主体で、日本の医師国家試験に近い感じのテストである。日本の医師国家試験と少し違う点は、精神科、公衆衛生、予防医学の比重が高く、また日本の医師国家試験以上に臨床的なニュアンスが強い。臨床が主体である点、一般にはStep1よりも取り組みやすい。Step1と同様にFirst Aid Step 2という参考書がある。

*現在、radiologyのresidency programはcompetitiveなので、USMLEでかなりの高得点をとる必要がある。一方で知り合いの紹介などによりfellowshipで入る場合は高得点はいらない…よってUSMLEを受ける前にresidency programに入るのかどうかを決めておく必要がある。

■TOEFL
ホームページにTOEFLの教材が沢山、紹介されている。TOEFLは3年ほど前よりペーパーテストが完全なコンピューターベースの試験になった。点数のつけ方も変わり、カットラインは以前の550点が、新しい採点方法の213点に相当する。このパッシングライン以上の点がECFMG取得の際に必要だが、そのラインを超えていれば良いのであって、ECFMG自体にはTOEFLの高得点は必要ない。ただし採用時にはTOEFLの得点が考慮されることもある。

■CSA
この試験では模擬患者10〜11人の診察を行ってカルテを記載し、鑑別診断を行って検査をオーダーする。その過程の中で幾つかの項目がチェックされるが、まず最初にチェックされるのが患者―医師関係や診察態度、具体的には言葉使いや態度、ふるまい…きちんと患者さんの目を見ているか? 挨拶はしたかどうか? 握手したかどうか?などの細かい点をチェックされる。そして次に理学所見のとり方をチェックされる…"聴診をキチンと聴いているか?"などの診察法のチェックと、それらの結果として種々の理学所見をきちんと拾い上げているか? そして最後に受験者はそれらの診察した理学所見から鑑別診断を5つくらい挙げ、それに必要な検査を5つくらいオーダーする。このような診察が主体の試験では、放射線科医は日頃患者さんを診ていないので一見不利のように思われるが、逆に変な診察の癖がついていないので、CSA受験のためのセミナー等を受講して合格することは十分に可能。

■ECFMG
USMLE Step1, 2、TOEFL、CSA合格後、晴れてECFMGが取得できる。
臨床トレーニングを受けるにECFMGの取得は必須。逆にECFMG Certificateは一度臨床トレーニングプログラムに参加すると永久に有効となるが、参加しない場合はTOEFLは2年、CSAは3年で失効してしまうので注意が必要。

■USMLE Step 3
ECFMGに通った後に、最後の試験であるStep 3を一般には臨床トレーニングの最中に受験する。Step 3は州によって受験資格がかなり異なるので、受験前に確認しておくことが必要。USMLE Step 2と同じく臨床医学試験ではあるが、Step 2以上に一般医としての知識と判断力(インターン終了時に必要とされる程度のもの)が要求される。したがって病気の診断ができるというだけでなく、患者ケア、マネージメント、治療、予防医学などの知識が問われる。かなりタフな試験であり、強靭な精神力が要求される。試験時間は1日8時間、2日間で計16時間あるが、これは食事や休憩時間込みであり、それらの時間配分は自分で行う。そしてStep 3の最大の問題点は、一題、一題の設問が長いこと…nativeでない場合、問題を読んでいるだけで、かなりの時間を費やしてしまう。試験の前に読解力を養っておくことも重要である。

■State Medical License
以上の試験にすべて合格したら、晴れてstate medical license (州免許)が申請できる。ただし資格基準が州ごとに異なるので、事前に確認が必要である。例えば州によってUSMLE全体あるいは各Stepごとに受験回数の制限があったり、またStep1〜3を7年以内に合格すること、という規定を設けている州が多い。また旧制度でECFMGを取得していた場合はUSMLEの再受験を要求される州もある。また州免許申請の際には過去の経歴をチェックされるため、以前に医療過誤や履歴のギャップがある場合には、それらに対してきちんと理由や状況を説明できなければいけない。

■State Medical License取得後 〜 Attending Radiologist
晴れて州免許が取れれば、practiceができるようになるが、実際に米国で放射線科医として働くには州免許取得後、さらに踏むべき幾つかのステップがある。病院での雇用に際しては、米国放射線科専門医ないしそれと同等の資格 or 経験があるかどうかが問われるし、さらに雇用時には病院での"特権の取得"が必要となってくる。すなわちその病院と契約をする時にどのような検査や手技をそのドクターが行って良いかを個々に申請し、契約する必要がある(医師免許さえあれば何でも行って良い日本との違い)。それには保険会社の承認も必要で、各保険会社ごとに審査がある。医療過誤保険料は日本では4〜5万円程度だが、米国では州によって、あるいは専門領域によって年間数百万円におよぶこともある(一般にはその保険料は病院が負担してくれる)。また実際に米国に長期滞在するには、労働ビザ(H1Bなど)、研究者ビザ(Oなど)やグリーンカード(永住権)等が必要となってくる。

知人の紹介で直接、fellowshipなどに入って米国の放射線科に勤務するという話はよく耳にするが、きちんとステップを踏んで試験を受けながら米国で医師免許を取得し、放射線科医として勤務することの厳しさを改めて痛感した。また日本では医師免許取得などに際して都道府県ごとの違いはないが、米国では州ごとに様々な資格条件の違いがあるという状況についても改めて"お国柄"の違いを実感した。これは酒井先生が最後に締めくくられた言葉でもあるが、このように種々の試験のステップを踏みながら米国放射線科医を目指すことは、単に勉強することが必要というだけでなく、経済的問題のクリア、医局・職場の協力、家族の協力といったハードルも乗り越える必要があり、半端な気持ちでは目指せない。強い意志をもってタイムフレームを設定して実行に移すには、まず最初に明確な目標や動機付けがないといけない。しかし道が険しければ険しいほど、それを乗り越えた時の充実感も一入のものがあるのであろう。酒井先生や今回ご講演をされた先生方に続く形で、少しでも多くの日本の若き放射線科医が米国の放射線科に挑戦されることを望みつつ、本稿の終わりとしたい。

公開座談会〜心臓/腹部領域における
RSNA 2003のトピックス

日本シェーリング(株)の主催で(筆者の知りうる限りでは)本邦初の試みである"公開座談会"がシカゴのホテルにて開催された。日本シェーリング(株)は同社より発行されるWorld On-Line News掲載の座談会を、毎年RSNA会期中の最終日前夜に開催してきており、今回はそれを公開座談会という新しい試みとしてaudienceの前で行うことになった。慶応義塾大学の栗林幸夫教授、神戸大学の杉村和朗教授のご司会で、パネリストに山口大学の松永尚文教授、三重大学の佐久間 肇先生、大阪大学の村上卓道先生、山梨大学の市川智章先生をお迎えして心臓領域、腹部領域に関するRSNA 2003のトピックスについてホットな議論が交わされた。大変、充実した素晴らしい内容であったが、詳細は日本シェーリング(株)のホームページやWorld On-Line Newsに掲載予定であり、そちらをご参照されたい。

日本赤十字社医療センター 放射線科 扇 和之


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