シーメンス先端技術講演会の参加報告記
平成16年2月21日土曜日 シーメンス先端技術講演会が品川インターシティホールで行われました。RSNA2003の内容を雑誌から情報を得ていたので、64列、STRATON管球などにすごく関心がありました。参加者数も500名ということで皆さんの関心の高さも伺えたかと思います。
大会長(北大 宮坂和男先生)の挨拶の後、『New frontiers in CT with up
to 64 slices』と題してシーメンスのDr. Bernd Ohnesorge 氏が講演されました。ここでのお話は、前半が現在稼動している16列シリーズの画像とアプリケーションについて、後半に64列CTの技術的な内容についてでした。
■CT
●最新の16列における重要ポイント
0.37秒回転の有用性についての説明がありました。次に陽極蓄熱量0MHという新しい管球『STRATON』に関しての説明がありました。この新しいSTRATON管球は、熱容量を増やすことによってパワーアップをはかるのではなく、熱を逃がすことによって蓄積熱容量を0MUにすることで管球負荷軽減を実現したものです。
●64列CTの技術的な内容
64列の実体は32列ということだそうです。ではなぜ64列? になるのかというと電子ビームを偏向させることにより32スライスを瞬時に2つ作成するそうです。(Double
Z sampling) これにより64スライスという画像を取得しているということでした。本法を用いると0.4mmのアイソトロフィックボクセルが得られ解像度があがるということでした。ファントム画像の供覧でしたが、心臓ステント内もかなり見えてくるようです。64という数字が表示されていたのでてっきり64列並んでいて、そのまま回転するのかと思いましたが、そのまま回転した場合はテーブル速度の向上からアーチファクトが発生してしまうため、不採用となったとのことでした。
また別の話として、頭部血管CT-DSAの画像が出ていました。とても綺麗でした。これはマスクを低線量で撮影してCT-DSA画像を得るもので、アプリケーションができてきているということでした。DSAのピクセルシフトのようにボクセルシフトなんてできれば話しは早いですが・・(笑)続いてDr.
Stephan Achenbach、M.D. がクリニカルな面から心臓CTについてお話をされました。心臓ですがバイパスグラフトに関してはかなり綺麗に描出できるということ、また検査の適応に関してのお話もありました。胸痛がある人すべてにおいて心臓CTを施行するのではなく、非典型的な胸痛もしくはリスクの少ない人に施行することが有益であるということでした。60歳以上の男性の典型的な胸痛は90%以上が冠状動脈に異常があるというデータがあります。したがって典型的な胸痛であれば最初から心臓カテーテル検査を行った方が良いということでした。私個人としては、心臓CTに関しては造影剤を使うという問題点もありますが、健診で使用できると良いと思いました。そういえば先日、毎日新聞にも心筋梗塞はたんぱく質とCTで予防というような記事が載っていました。CTで予防ですか!!
■MRI
続いてMRIですが、こちらもCTの流れと一緒でDr. Christoph Zindel氏が技術、Dr.Heinz-Peter
Schlemmmer,M.D.,PhDが臨床について講演されました。
Whole Body MRIの話がメインでTIM(Total imaging matrix)という概念をもちいての32チャンネルシステムで、全身一度に撮影できるという画期的なお話でした。
全身に敷き詰められるサーフェイスコイルがそれを可能にしているわけです。さらに、サーフェイスコイルなので一部分を高解像度で撮影可能とのこと。全身のメタ検索、炎症性疾患など探し出すのも容易となり、全身MRAも短い時間で撮影可能というお話でした。でも細かく見るとなると一筋縄ではいかないような気もします。
なんか中途半端な検査になりそうな気も・・??? また、複数の検査が一回でできると色々な問題も生じてくるのではないかと思われました。しかし、基本的にはすごい技術だと感じました。全身撮影しますからね。
それと、最新のシーメンスMRIでは音が小さくなったので耳栓がいらないという話もありました。そっちのほうが案外重要な話であるような気がしました。
以上が今回の講演会の主な内容です。CT・MRI共にどんどん速く撮影できるようになるという事で、放射線科はますます忙しくなること必須かと思われます。しかし、患者さんにとっては有益であることは間違いありません。今後もさらなる技術革新が進んで、より患者さんに優しい装置となっていくことが期待されました。シーメンス先端技術講習会に参加できてとてもよかったと思います。来年はどうなるのか?本当に楽しみです。是非来年も参加してみたいものです。シーメンス先端技術講習会参加報告でした。
横浜栄共済病院 放射線科 保田英志