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NEWS 2004.3.8
第9回ブラッドアクセスインターベンション治療研究会の報告
平成16年3月6日に千駄ヶ谷の津田ホールにて開催された、第9回ブラッドアクセスインターベンション治療研究会に参加した。この会は、透析医が中心となりながらも、放射線科IVR医や血管外科医など透析シャントに関わるすべての診療科が参加する、とても有意義な会である。
今回は、「エコノミーBAIVTを考える」と題したワークショップから始まった。透析はある時期、病院の収益に大きく寄与した時代もあったのだが、透析患者が毎年約1万人も増加していくのに伴い、総医療費に占める割合も高まって、近年は保険償還の面でかなり厳しくなっている。シャントトラブルに対するインターベンションの保険請求に関しては劇的で、「四肢の血管拡張術」として15万円以上も請求できていたものが、インターベンションとは何の関係も無いわずか3万円あまりの「血管結紮術」に査定されている県が多い。しかし、いまだに「四肢の血管拡張術」で請求可能な県も残っているし、施設によって様々な県も少なくないことも明らかにされた。参加者の多くは、「簡単な症例の場合に15万円は少し高すぎるが、それでも3万円ではものすごく困る」と考えているようである。4月の保険改訂では触れられないままに終わってしまうようだが、新設で8万円前後に落ち着けばよいのではないだろうか?また、どのような複雑な症例でもバルーンカテーテルを一律1本しか認めてくれなかったり、PTAと手術が同一月だと査定されるといった、理不尽この上ない県まであるようで、医療経済はまことに厳しい。このワークショップでは、どの施設も涙ぐましいほど、みみっちいまでに経費節減に努めているのが良くわかった。確かに経費節減は絶対必要だが、それで十分な最善の治療が施されずに医療レベルが下がるようなことがあってはならない。また多少の経費節減など、バルーンカテーテルの価格に比べると微々たるものであるところが辛い。
拡張用バルーンが破裂して遺残したのをうまく除去できた4例の発表があった。少なくともうち2例はバナナバルーンであった。破裂するときは縦に裂けて、決して円周状には裂けないようにどのカテーテルメーカーも苦労しているはずだが、この特定メーカーに頻度が高い可能性が否めない印象を持った。
昼食時は、参加者全員が端末を持ってアンケート調査に答えるかたちのセッションがあり、とても面白かった。参加者の内訳は、透析医が56%、放射線科医が20%、血管外科医が16%、循環器科医が6%であった。また拡張用バルーンカテーテルの選択にあたっては、0.035 インチ対応のバルーンを基本とする者が64%で、0.018インチ対応を基本とする者が36%であった。
カッティングバルーンは発売から1年以上がすぎ、かなりまとまった報告が出てきた。今のところ、やはりまだ再狭窄症例など従来のバルーン拡張術で効果が期待できない症例に適応としている施設が多い一方で、初回からカッティングバルーンを使うとしている施設も2割以上に上っているようである。関西医大からは、historical dataとの比較ではあるが、初回PTA症例を対象として比較検討すると、開存率はカッティングバルーンの方が有意に優れているとの報告があった。しかし、ステント内狭窄やグラフト内狭窄では差がないようである。また他の演者の報告でも、再発を繰り返してきたような症例での成績は、従来のバルーンカテーテルに比して大差はない。合併症の率も、やや高いようである。カッティングバルーンの適応についてコンセンサスがえられるには、まだ数年かかるようである。術者の熟練により合併症が減少することや、初回PTA症例を対象としたカッティングバルーンと従来型バルーンのランダム化比較試験が行われることを期待している。
IVRコンサルタンツ 林信成
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