超音波の新技術とその臨床応用 -組織硬度指標および血流指標を用いた急性肝組織障害の評価と予後予測-

2017.11.24

超音波の新技術とその臨床応用 -組織硬度指標および血流指標を用いた急性肝組織障害の評価と予後予測-

岩手医科大学内科学講座消化器内科肝臓分野 黒田英克、滝川康裕

 超音波機器を用いた肝硬度や血流変化は、急性肝組織障害度を反映する有用な予後指標となる可能性がある。
急性肝障害10例、急性肝不全22例の総計32例を対象に、入院時のVTQを用いて測定した剪断弾性波伝播速度
(Vs:Shear wave velocity)、Sonazoid造影超音波検査における肝動脈と肝実質の最大造影輝度到達時間間
隔(TI:Time interval)を、病型ならびに生命予後別に比較した。予後予測に関するAUCは、Vs:0.859、TI:0.928
であった。肝硬度や肝実質灌流は肝組織障害を反映して変化し、急性肝組織障害の評価や予後予測に応用できる
可能性が示唆された。

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