セントメディカル・アソシエイツLLC
日本HP社のワークステーションを用いた万全なシステムで、日本の遠隔画像診断会社を牽引

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2014.08.06
セントメディカル・アソシエイツ
図1 医知悟のiCOMBOX
コンパクトに棚に収まっている。
これとパソコンがあれば、読影が可能になる。
 遠隔診断が周知されるようになってきたのは2004年頃である。当時は大手企業がその中心であったが、やはり手の届かない部分もあること、また足りない部分もあることから、「読影医がこの遠隔診断という分野を盛り上げていくべき」という理念をもって設立されたのがセントメディカル・アソシエイツLLC(以下セントメディカル)である。医療機関と専門医を直接結びつけることを実現した同社の代表、加納裕士氏に遠隔画像診断の現在、また実際に使用されているワークステーションやシステムについて、お話を伺った。


医師、技師中心の遠隔画像診断会社

 遠隔画像診断では、CTやMRI、検診画像としての胸部X-p、胃透視画像、マンモグラフィなどを取り扱う。同氏が起業した動機としては、放射線科医や診療放射線技師が中心となって事業をしたい、また遠隔での読影が難しいと言われるマンモグラフィに対応できる会社を作りたい、という思いがあったという。特にマンモグラフィは、他の遠隔画像診断会社ではシステムやモニタなどの整備が困難であることから、あまり重点を置いていないことが多いため、特に力を入れて取り組んでいる。元々、遠隔会社ではCTやMRI画像の読影が主流であった。その理由としては、ネットワーク環境が貧弱であったことが挙げられる。画像サイズが大きいマンモグラフィはクラウドを利用することも難しく、またレポート作成の際も、二重読影をするには非常に手間がかかった。遠隔画像診断会社としてマンモグラフィに対応できれば、他の画像にも対応できるであろう、という考えから、同社はマンモグラフィに対応できる「自分たちが欲しい」システムを一から構築した。


遠隔画像診断を支える医知悟のシステム

 医知悟LLCは、遠隔画像読影のインフラを提供する合同会社であり、加納氏がCEOを務める。同社が開発したiCOMBOX(遠隔画像診断ツールをバンドルしたセットトップボックス)とiCOMSERVER(センターサーバー)は、マンモグラフィなどの画像診断も可能とし、セントメディカルでは主としてこの製品を取り入れている(図1)。
 医知悟の製品を取り入れたシステムの利点は、読影医がそれぞれの進捗状況を確認しながら二重読影をできることである。画面には未読影、第一読影中、第二読影待ち、二重読影完了などが一目で分かるように表示されており、読影医は、それぞれ状況を確認しながら、読影を進めていく(図2)。

図2 医知悟の画像管理画面

1、各読影医に画像が配信される。
2、一次読影医は読影後「依頼」(青ボタン)を押す。

3、リストは常に同期されており一次読影が終わったことがわかる(ピンクに変わる)。
4、二次読影終了後「確定」(緑ボタン)を押すことでレポートが依頼元へ返却される。
図3 読影を行う加納氏
愛用しているPCチェアとデスクは
MWE Lab社のEmperor 1510 LX。
SF映画を彷彿させるが、
横にはしっかりHP社のワークステーションが。
この作業の間、読影を依頼した医師のところでもデータが常に同期されていてステータスが更新されており、進捗状況を確認できるようになっている。
 また、過去の関連画像などは画像配信の際に自動で紐付いて届くようになっており、診断側に画像を保管する必要がない。そのため、大袈裟なサーバーやストレージのシステムは必要なく、読影医が備え付けるのは医知悟のコンパクトなiCOMBOXのみである。
 セキュリティ面も配慮されており、医知悟では、画像に関して表示される個人情報の中で氏名の部分を匿名化している。そこから特定の個人を割り出すには実質的にかなりの手間を要するため、「仮にインサイダーであっても個人情報を盗むハードルが非常に高く、故にそのような試みを考えることすら有り得ない仕組みになっている」と加納氏は述べた(図3)。

日本HP社のワークステーション

 セントメディカルにおいて、医知悟と同様に重要な役割を果たしているのが、日本ヒューレット・パッカード社(以下HP社)のワークステーション、HP Z420 Workstationだ。その利点としてはまず、made in Tokyoを謳う供給の安定性が挙げられる。国内生産、国内輸送であるため、まとまった量を1ヶ月以内というような、比較的短い期間の発注もしやすいという。その他、初期不良が少ないこと、価格が妥当であることもスタッフを大いに助けている。加納氏は「タフなので、ある程度の酷使にも耐えてくれる。」と実際に使用した満足感を表した。インターネットでの購入により余分な手続きを省略できることや、業務用であるためシンプルに設定できることも「とにかく便利」と同氏は述べた。また、綿密に設計された内部構造により様々なカードやケーブルなどの抜き差しがしやすいことがこのワークステーションの特長である(図4)。エアフローも良いので、夏でもそれほど熱くならず、静音性も保たれている。更に、取扱説明書などが日本語であることは大きなメリットである。またサポートセンターに電話した際の待ち時間が短いことも使いやすさにつながっている。HP社ではワークステーション専用のサポートセンターがあり、オペレーターが日本人エンジニアであることも、利点の1つだ。「うちのワークステーションは全てHP社のもの。他社製のものと比べてどうかという質問に対しては、それが答えになると思います」と広藤氏(セントメディカルの医用画像技術責任者)も太鼓判を押した。
図4 HP社のワークステーション内部
内部が広く作られているため、ビデオカードの抜き差しもしやすい。

遠隔画像診断におけるトレンド

 遠隔画像診断における新しいトピックとしては、CTC(CT colonography:大腸CT検査)が挙げられる。CTCは病院から再構成画像が送られてきていない場合は元画像を作成する必要があるため、専用のワークステーションが必要になるなど、遠隔にて診断を行うには少し難易度が高いのが現状であるという。また、一見CTCの読影は簡単に思われることもあるが、実際は見落としなどを防ぐために内視鏡など他の画像との対比など想定しながら読影しなければならない。そのため、今後はCTCへ対応をしていく必要があるが、十分な検証と準備が必要と加納氏は述べた。
加納裕士氏
セントメディカル・アソシエイツLLC 代表
医学博士 放射線科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医

遠隔画像診断の今後と課題

 平成26年度診療報酬改定により、遠隔画像診断会社に読影を依頼すると、従来では取れていた画像管理加算1、2が請求できなくなった。元々遠隔画像診断は、常勤医が不在、あるいは常勤医が読み切れないものを、患者の安全のために社会的責任として依頼機関、受託機関の共同作業として行っていたものである。従って、加算がとれなくなっても遠隔読影の依頼を続けている病院がほとんどであり、遠隔画像診断の市場自体は必ずしも小さくなってはいない。しかし、常勤医が1人しかいないような病院では従来以上にその医師に負担がかかりすぎ、医師が疲弊していると、加納氏は述べた。元々読影医がいない病院は、加算自体が無関係であるため、読影を外部に依頼できる。しかし、一方で読影医がいるにも関わらず充足していない病院は、管理加算を請求しようとすると外注ができなくなるため、人手が充足されないまま業務の増大というプレッシャーを受けることになる。この状態を早く改めなければ、1人で読影をする医師達は疲れ果ててしまう、と同氏は懸念している。
 まだ課題を抱えてはいるものの、その分可能性も秘めている遠隔読影。同社は読影に加えて、より遠隔読影に有利なシステム構築、運営のノウハウなどを読影医の先生方に啓発、紹介する形でも遠隔読影の普及に余念がない。従来の型にこだわらず、ベンダーと読影医に診療放射線技師や病院も加わった協調型の遠隔読影システムを理想とし、遠隔会社としてその見本となれれば、と同氏の志は高い。同社の活躍はまだまだこれから、である。

セントメディカル・アソシエイツLLC
http://www.cma-llc.co.jp/

日本HPワークステーション医療情報ページ
http://www.hp.com/jp/ws_medical

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